探偵業法とは?届出制・契約時の書面・探偵業者に禁じられていることを条文で確認

探偵業法の正式名称は「探偵業の業務の適正化に関する法律」(平成18年法律第60号)です。探偵業について必要な規制を定めて業務の運営の適正を図り、個人の権利利益の保護に役立てることを目的にしています(第1条)。

このページでは、探偵事務所に相談・依頼する前に知っておきたい点を、e-Gov法令検索の条文と同法施行規則から抜き出しました(2026年10月21日確認)。条文の要約であり、法律相談への回答ではありません。

探偵業法の対象になる「探偵業務」

第2条は「探偵業務」を次のように定めています。

他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務

この探偵業務を行う営業が「探偵業」、届出をして探偵業を営む者が「探偵業者」です。報道機関の依頼を受けて報道に使う目的だけで行うものは、探偵業から除かれています。

探偵と興信所の違いは法律上あるか

探偵業法の条文には「興信所」という言葉は出てきません。法律は名乗り方ではなく行う業務の中身(第2条の探偵業務)で対象を決めているため、「探偵事務所」「探偵社」「興信所」「調査会社」のどの名前で営業していても、探偵業務を営業として行うなら同じ規制を受けます。

届出書には、商号や営業所の名称のほか、広告や宣伝で使う名称があればそれも記載することになっています(第4条第1項第3号)。

探偵業は届出制(資格試験や免許の定めは無い)

  • 営業所ごとに届出:探偵業を営もうとする者は、営業所ごとに、その所在地を管轄する都道府県公安委員会へ届出書を出します(第4条第1項)。届出書は探偵業を始めようとする日の前日までに出すことになっています(施行規則第2条第2項)
  • 無届の営業には罰則:届出をしないで探偵業を営んだ者は、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です(第18条第1号)
  • 営めない人の定め(欠格事由):破産して復権を得ない者、一定の刑の執行を終えるなどしてから5年を経過しない者、暴力団員や暴力団員でなくなってから5年を経過しない者などは、探偵業を営めません(第3条)
  • 名義貸しの禁止:届出をした者が、自分の名義で他人に探偵業を営ませることは禁じられています(第5条)

探偵業法には、探偵業務を行う人の資格試験や免許の定めはありません。法律が求めているのは、営業所ごとの届出です。

届出をしたことを示す標識は、営業所の見やすい場所に掲示し、事業の規模が著しく小さい場合などを除いてインターネットでも公開することになっています(第12条第2項)。届出をしていない者が、この標識や似た標識を掲示・公開することは禁じられています(第12条第3項)。このサイトの地域ページでは、公式サイトに届出番号が書かれている事務所だけを載せています。

契約の前と後に受け取る書面

探偵業法は、契約のときに書面のやりとりを3つ義務づけています。

1. 契約の前に、重要事項の説明書面(第8条第1項)

探偵業者は、契約を結ぶ前に、次の事項を書いた書面を渡して説明しなければなりません。

  • 探偵業者の商号・名称または氏名と住所(法人は代表者の氏名も)
  • 届出をした公安委員会の名称
  • 個人情報の保護に関する法律その他の法令を守ること
  • 業務上知り得た秘密を守ることなど(第10条に定める事項)
  • 提供できる探偵業務の内容
  • 探偵業務の委託に関する事項
  • 依頼者が支払う金銭の概算額と支払時期
  • 契約の解除に関する事項
  • 調査で作成・取得した資料の処分に関する事項

2. 依頼者から、調査結果を違法な目的に使わない旨の書面(第7条)

探偵業者は、契約を結ぼうとするとき、依頼者から「調査の結果を犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いない」ことを示す書面を受け取らなければなりません。依頼者の側から渡す書面です。

3. 契約したあとに、契約内容の書面(第8条第2項)

契約を結んだら、探偵業者は遅滞なく、次の事項を明らかにした書面を渡さなければなりません。

  • 探偵業者の商号・名称または氏名と住所(法人は代表者の氏名も)
  • 契約の締結を担当した者の氏名と契約年月日
  • 調査の内容・期間・方法
  • 調査結果の報告の方法と期限
  • 委託に関する定めがあるときはその内容
  • 依頼者が支払う金銭の額と、支払の時期・方法
  • 契約の解除に関する定めがあるときはその内容
  • 資料の処分に関する定めがあるときはその内容

これらの書面を渡さなかったり、必要な事項を書かない書面・虚偽の書面を渡したりした者は、30万円以下の罰金です(第19条第3号)。

料金の書き方は事務所ごとに違います。公式サイトの料金は浮気調査の費用・人探しの費用のページにまとめています。

探偵業者に禁じられていること

  • 他の法律で禁じられたことは、探偵でもできない:探偵業法によって、他の法令で禁止・制限されている行為ができるようになるわけではありません。人の生活の平穏を害するなど、個人の権利利益を侵害しないようにしなければなりません(第6条)
  • 違法な目的と知ったら調査しない:調査の結果が犯罪行為や違法な差別的取扱いなどに使われると知ったときは、その探偵業務を行ってはなりません(第9条第1項)
  • 届出のない者への委託の禁止:探偵業務を、探偵業者以外の者に委託してはなりません(第9条第2項)
  • 秘密の保持:業務に従事する人は、正当な理由なく業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならず、辞めた後も同じです。探偵業者は、調査で作成・取得した資料の不正・不当な利用を防ぐ措置をとらなければなりません(第10条)

違反したときの行政処分と罰則

  • 指示:公安委員会は、探偵業者等がこの法律や探偵業務に関する他の法令に違反し、業務の適正な運営が害されるおそれがあるとき、必要な措置をとるよう指示できます(第14条)
  • 営業停止・廃止命令:違反で業務の適正な運営が著しく害されるおそれがあるときや指示に違反したときは、6月以内の期間を定めて営業の全部または一部の停止を命じることができます。欠格事由にあたる者が営んでいるときは廃止を命じることができます(第15条)
  • 罰則:営業停止・廃止命令に違反すると1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(第17条)。無届営業・名義貸し・指示違反は6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(第18条)

この記事で扱っていないこと

  • 個別の契約や調査が法律に触れるかどうかの判断はお答えできません。弁護士または法テラス等の公的な窓口へご相談ください
  • 契約や解約で困ったときは、消費者庁の案内する消費者ホットライン188から、最寄りの消費生活センター等の相談窓口につながります
  • ご自身で人の所在や行動を調べる方法は扱いません。やり方によっては法律に触れるおそれがあります
  • 法令は改正されることがあります。最新の条文はe-Gov法令検索でご確認ください

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届出番号を公式サイトで確認できた探偵事務所を、地域ごとに載せています。

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